ジムに行ってスクワットマシンに向かうのは強い意志が必要ですが、もし日常の暮らしの中で「勝手にスクワットが発生する部屋」があればどうでしょうか?
世界の健康長寿地域「ブルーゾーン」の一つである沖縄のセンテナリアン(100歳人)たちは、意識することなく、1日に数十回も床からの「立ち座り」(=スクワット)を行います。
特別な筋トレをしているわけではなく、畳の上での暮らしそのものが、下半身の筋肉やバランス能力を維持する究極の運動になっているのです。

現代の都市生活において、この仕組みを取り入れるための仕掛けが、私たちが提唱する「機能的摩擦(Functional Friction)」の空間設計(ナッジ設計)です。
便利すぎる環境は、人間の身体活動を奪います。
あえて生活動線に「少しの不便さ(摩擦)」をデザインすることが、無意識の健康行動を生み出すカギとなります。
•リビングにあえてソファを置かず、床座(フロアライフ)のスペースを作る(1日に何度も床からの立ち座りが発生します)
•リモコンやゴミ箱をあえて部屋の隅に配置する(座ったまま手が届く利便性を排除します)

この写真はブルーゾーン石垣島プロジェクトで”HOTEL SPICE+”に設置した特別室(星夜臥游)です。ソファはあっても居心地の良い和室をつくると、そこで自然と立ち座りするようになる。
ソファは遠くにおいておいて、居心地の良いフラットな空間をつくる。
それだけで家の中で自然にスクワットが始まります。
意志の力による我慢や努力に頼るのではなく、空間の設計によって日常の立ち上がり動作を「自動発生」させる。これこそが、住まいをウェルビーイングの聖域に変える環境アプローチです。

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